男の美学

2009年2月8日 スポーツ
土日はテレビが面白い。
あ、もちろんNHKの話ですけど。

今日はスポーツ大陸で冨田洋之をやっておりました。
体操界のルカワと私は勝手に呼んでいます。スーパーエースでポーカーフェイスだから。

同い年なんだね。

彼の引退の時の言葉「自分の目指す美しい体操を続けることが難しくなった」というのは、年齢的・体力的なことだと思っていました。北京オリンピックでも19歳のウッチーが活躍してたしね。

しかしそれは、物事の表面しか見ておらず、テレビで言ってることを鵜呑みにしていただけだと言うことに気づかされました。

冨田が美しい体操を続けられなくなったのは、ルールの改正によって質より難度を求める採点法になったこと、そして体操ニッポン復活の望みをかける、つまり金メダルか無かという日本のスポーツジャーナリズムの歪んだプレッシャーのためであり、それゆえ自分の美学を貫くことが難しくなったので引退を決意したんだなーと思いました。

彼はまだまだ自分が目指してきた美しい体操を続けて行きたかったんじゃないかなと思います。ただ、それだけでは選手としてはやっていけないし、世間もルールもそれを許さなかった。世界を極めた彼が一人美学を貫いてきたけれども、やはり完成度は低いものの難度の高い技に取り組む中国の陽威が北京で金メダルを取ったところで、富田の孤独な戦いは終わりを告げたのかなと思い、切なくなりました。

それでも、体操はまた美しさを競う方向に流れが戻ってきているそうで、冨田の演技に憧れる子どもたちがオリンピックの舞台に立つ日が楽しみです。

美学のある人は美しい。

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