ロシアという国はとても不思議な魅力があると思う。

ヨーロッパ史の中でロシアの存在はとても大きいのだけれど、その影響はいつもネガティヴなものばかりで、常に目の上のたんこぶだ。

日本との関係を見ても、必ずしも友好とはいえない。
大黒屋光太夫は歓迎されてたけれど、日本人の持つロシアのイメージは、日露戦争とか北方領土とか共産主義とかで、それはネガティヴなニュアンスを伴っていることは否めない。

そういったイメージはもうひとつの共産主義大国・中国と似通っている。
しかし個人的には「あの国はなに考えているのかわからないから」の一言で片付けることができない。
これはいつもの、愛しくも憎らしい欧州コンプレックスに負うところが多いのだが。

とりわけ注目しているのはその文学だ。
なぜロシアの文学はこうも重厚で悲劇が満載なのだろうか。
ロシア国民の日常生活はそんなに悲劇的なのだろうか。

大好きなロシア通訳者・米原万里の本を読んでいると、ロシア人は必ずしも陰々滅々と暮らしているようにも思えない。

疑問に思いつつも、ロシア小説を読んだことが無いのでなんともいえない。
読んでみたいと思いつつも敷居が高くてどうも手が伸びない。
でも読んでみないことには何も始まらない。

と考えていたときに本屋で見つけたのがこの本。
痒いところに手が届く。

新訳「カラマーゾフの兄弟」で一躍時の人となっている著者だが、ロシア文学といえばこの人、と勝手に思っている。
ドストエフスキーを中心としたロシア文化人について、自身の見解を軸に紹介。ドストエフスキーについては、「未成年」を除いた4つの長編小説についてあらすじつきで解説。

「そうかそういうことなのか」とわかった気になるので、この勢いに乗って「罪と罰」から読んでみようと思う。

小説というのはわかろうとして読むのではなく、好きに読んですきに解釈すればいいのだということを思い出した。

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