右上のところに「ベルリン陥落 1945 9月26日」ってなってるけど、日付はタイトルと関係ないですよ。陥落は5月8日。9日に降伏文書署名。


ヒトラーとスターリンによる殱滅の応酬を経て、最終章、戦場は第三帝国の首都ベルリンへ…。綿密な調査と臨場感あふれる筆致、サミュエル・ジョンソン賞作家による、「戦争」の本質を突く問題作。


3年前の話題作。
このボリュームで4000円は安い。

研究者にとっては目新しい事実は無いらしいですが、臨場感溢れる語り口、赤軍兵士の行動に詳細に言及しドイツ人の被害者としての側面にも光を当てている点は新鮮。

しかしこの本を位置づけるとすると、歴史小説かしらね。

研究書としては歴史書としても戦史書としても物足りない、でも様々な資料を基に事実に忠実に描き出されております。

ベルリンに近づくにつれて、知ってる地名が出てきて個人的には臨場感溢れます。
ベルリンに入ってからは「あああそこの通りか」などと思い浮かんできます。
ベルリンの地図捨ててきちゃったんだけど(@_@)いいんだまた行くもん。

しかし時々妙な訳文が出てくるのでせっかくの臨場感がふっとんでしまうことがあります。
かといってこれ原著を読むほど軍事用語に詳しくないし・・・(@_@)

個人的にはとても面白かったです。ベルリン好き歴史好きだから。でも電車の中で読んでて、吊るし首にされた逃亡兵の写真とか出てきちゃってまずかったです。すみません。

終末に近づくにつれ、どうしてみんなその手をとめることができなかったのか、切ないくらいに不思議です。
途中でやめることはできたのではないかしらと思うので、すべてをナチスの罪にしてしまうのは違うなぁと思います。
もちろん一般ドイツ人にも、犠牲者はたくさんいたけれども。

これを読むと、一体どうやってフランスを占領することが出来たのかと頭をひねってしまいます。
「フランス敗れたり」とチャーチルの回想録と合わせて読むと面白い。もしくは「ヒトラー最期の12日間」を観てもいいと思います。
ドイツ兵の回想録などもあり、読みたいものであります。

戦争に興味があるというよりは、戦争に参加した人、戦争を動かした人たちが当時何を考えて行動していたのかに興味があるのです。だから戦車の名前とか全然興味ないよ。

話は飛びますが、語学学習書に「SS式」というものがあるのです。英語とかフランス語とかタイ語とか。そのシリーズにドイツ語もあるのですが、本屋の棚で「SS式ドイツ語学習」って、そりゃないでしょとうっかりずっこけるところでした。

Kraft durch Frucht?
それはちょっと…。

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