CLEMENTIA E CAESAREIS

2006年2月10日 歴史
いまさらですが粉雪っていい歌だなと思います。もちろんこないだまでレミオメロンだと思っていました。
覚える気なくてすみません。

昨日の読売新聞の夕刊に、風刺漫画問題について、国際関係学の第一人者(と私が思っている)のコラムが載ってた。

表現の自由は民主主義において重要であるが、宗教の尊厳を認めた上で行使されなければならない。「たしなみ」が必要である。しかし風刺漫画批判を名目にしたテロ・暴力行為は批判しなければならないし、そういった行為は結局はイスラム教の尊厳・イスラム教徒全体の品位を落とすことにつながる、という内容だったと思う。

結局のところどうすべきだっていう主張はなかったと思うのですが、そこはぼやかすところなんだと思います。名の通った知識人が「こうだ!」と言うと鵜呑みにしちゃうからね。私なんか特に。

この話を読んで、今欧米にもイスラム世界にも、寛容の精神が欠けているんだなと思いました。
寛容の精神と言えばカエサルです。カエサルが政治の表舞台に立つようになったのは、三頭政治が始まった年とすると、紀元後59年だから約2000年前ですね。
http://julius-caesar.vis.ne.jp/portrait_2.htm

ローマ史は特に苦手だったので、彼の政治がどうだったというのは語れないのですが、2000年経ってもなおその精神が語り継がれているということは、推して知るべしってことなのでしょうかね。勉強しろよって感じやね。まだローマ人の物語1冊も読んでません。

私は、世界はローマ帝国が東西に分裂したときからおかしくなっちゃったんだと思っているのですが、それはつまり、カエサルがモットーとした、「寛容の精神」というものが指導者から薄れてしまったからなのかもしれません。

「寛容」
寛大で、よく人をゆるし受け入れること。咎めだてしないこと。
他人の罪過を厳しく責めないというキリスト教の重要な徳目。
異端的な少数意見発表の自由を認め、そうした意見の人を差別待遇しないこと。
(広辞苑第五版)

また、先に挙げた新聞記事によれば、コーランの教えの中に、「人間に与えられた能力でもっとも優れいているものは忍耐力である」とかなんとかあるらしいです。

本当に厳格な宗教者であるならば、他を認め、受け入れることができるのかもしれませんな。

話がでっかくなってきたけど、
今回の風刺漫画問題は、イスラム教を侮辱したわけだからキリスト世界が悪いと思うのです。
「悪い」というと言いすぎだと思うのですが、どっちかと言えば非があるのは欧米かなと。
表現の自由を振りかざして、偶像崇拝を禁止しているイスラム教の預言者を風刺画にしたのは、知る権利を振りかざす芸能レポーター的だと思います。
イスラム教では風刺画でなくても、絵に描くだけでも禁止されているんですもの。
しかもキリストの風刺画は掲載していないっていうじゃありませんか。これでは表現の自由ではなく差別だと言われても仕方ないのではないでしょうか。
ヨーロッパ、特にフランスで問題になっている、イスラム教徒の女学生のスカーフ問題と一緒。十字架はOKなのにスカーフはだめって。

911以来、欧米世界はとかくアラブ世界の人をまるごとテロリストかのような扱いをしてきているのですから、そういった態度にイスラム世界の人々は苛立ちを募らせていたんだと思います。
テロリストが存在するかもしれないけど、みんながみんなテロリストなわけではない。
日本人がみんな相撲好きでない、みたいなもんじゃないの?

これまでにムハンマドの絵が描かれてこなかったかというときっとそうではないと思うけれど、何も火に油を注ぐようなことをする必要はないと思うのです。
きっと、作者は最近の中東地域のテロ活動を皮肉ったつもりだったんだと思うのですが、今回の問題で、抗議行動がその常連である中近東だけでなく、アジアにまで広がっていることを見れば、その風刺画がどれだけの人たちに不愉快な思いをさせているのか、解ると思います。

欧米世界の態度も見直すべきだと思うけれど、
イスラム世界の人々も、「みんなテロリストだ」と思われるような行動、現在進行中の暴力的なデモ活動は停止すべきだと思うのです。

なんか、もっともらしいことを言ってるけれど新聞記事の内容を書き換えただけのような気もする。
私は一個人なので、ここでは表現の自由を行使させていただきます。みんないろんなこと思ってると思うけど、わたしはこうだよってことで。

宗教とか民主主義とかでっかい話に限ったことではないと思うのですが、相手の大切にしているものを、権利があるからといって踏みにじったり、軽んずるということは、民主主義やら憲法やら以前の問題で、人が人と生きていくうえで本当に大切なことなんだな、とつくづく思いました。
また、自分が常識だ・当たり前だと思っていることも、そうではないんだぞと思うようにします。
トリノの反グローバリゼーション団体の抗議活動見て思いました。
オリンピックって世界中の人が楽しみにしてると思ってた。

今年の目標は寛容の精神だな。
人の話に耳を傾けよう。

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