ベルリンライフとは何だったのか　その2

ベルリンに住んで感じた一番大きなカルチャーギャップのひとつは、なんといっても性に対する考え方です。散々「ドイツ人は変態だ」と言い続けておりますが、それは日本の公序良俗に照らし合わせてのことです。性に対する価値観というか考え方が根本的に違います。

欧米とアジアでは根本が違うというのはわかっているつもりですが、こうも違うのかと驚きです。

最初は驚いてたけど段々慣れてきちゃったのも驚きです。
慣れないと夏のベルリンなんか暮らせないけどね。いちいち裸リュック（勝手に命名してますがちゃんとズボンは履いてますみんな）に驚いてたら街歩けないし、駅併設のエロティックショップに驚いてたら電車にも乗れない。

昨年のLove Paradeの傑作写真を友人に見せているのですが、みんな結構ひいてるんだよなぁ。私ただのセクハラマンなんですけど。
私は笑えたんだけどなぁ。「ドイツ人バカだありえねー」って。

「あ、ヤバイこれ笑えないんだ」と思い直しました。世界のエロティックミュージアムを撮影して回ろうかと思ったけどやめることにします。ごめんねサイヤ人さん。自分で訪問してください。

男性向けのお土産を買うときに、全然思いつかなかったのでコンドームキングサイズにしようかなと思ったんだけど思いとどまってよかったと思います。

あやうく友達がいなくなるところだった。

ドイツの女性向けファッション誌には必ずと言っていいほどセックス特集があるし、今日は新聞記事に発見しました。地方紙だけど。

セックスに関する5つの誤解
http://www.morgenpost.de/content/2007/02/25/wissenschaft/885182.html

こういうのは、別にドイツ人がエロいわけではなく、夫婦恋人パートナー同士が向き合って話し合うことが大切だと考える文化なんだなと思うようになりました。

イタリア人のフランチェスコが「どうして日本人の夫婦は別々のベットで寝るの？」と尋ねてきたのも、彼らにしてみると本当に不思議なことなんだろうな。

先述の記事の5番目の誤解というのが、「週に2回がもっとも望ましい」というものですが、ドイツ人は週1でも満足してるそうですよ。

概してドイツ人はセックスライフに満足だそうです。63％のドイツ人男性、57％のドイツ人女性が満足してるそうです。
イスラム文化圏、たとえばトルコ人は25％の人しか満足してないし、さらにひどいのは日本人で、18％の日本人男性、10％の日本人女性しか満足していない、という調査結果があるそうです。
満足率が高いのはフランスドイツイタリアだそうです。

そういうのって、本当に文化の違いじゃないですか。
日本は「控えめ、慎み、チラリズム」が尊重される文化だから、特に女性はセックスについておおっぴらに話し合うなんてとんでもない！ってなるわけじゃないですか。

でももっと根本を言ってしまえば、ドイツ人だろうがトルコ人だろうが日本人だろうが、男は男で女は女なのよね。
だからSATCが世界で流行るわけで。

いくら日本が欧米化しても、そういう「日本文化の根本」的なところはそう簡単に欧米化しないわけです。それは別に悪いことではないし、むしろ守っていくべきところなんじゃないかなと思います。自分はすっかり守ってないしすっかり変態になっているようですが(@_@)

欧米人の裏表のない態度はとても気持ちよいし（むかつくときもあるけど）、女性は特に欧米男性の情熱的求愛には感激すると思う。かといって、イタリア人のやり方を日本人男性がやると「なにそれキモイ」としか思われないと思うんです。どうがんばっても日本人はジローラモにはなれない。地中海の太陽を浴びてないもの。

日本人には日本人のやり方文化伝統がある。それを無理に欧米化させる必要はないんじゃないかな。

でもレディファーストはいい習慣だなぁと思うし、スウェーデンをはじめとするヨーロッパの男女平等はとても憧れるものがあります。その辺の矛盾は全然消化できない。